OUT OF PLACE

out of place

今朝の朝日新聞にサイードの著書『OUT OF PLACEーA Memoir』についてのドキュメンタリーが紹介されていた。監督は佐藤真氏。*1
イードは「オリエンタリズム」の人、くらいにしか認識がなかったんですが、その記事の「英国領時代のパレスチナで生まれ、エジプトで少年時代を過ごし、ニューヨークのコロンビア大学で教えた」とあって、少し興味が湧いた。

これほど長いあいだ孤独と不幸を味わったものの、最終的にはわたしは自分のことを幸福と考えるようになった。今では、「ふさわしく」あること、しかるべきところに収まっている(たとえば、まさに本拠地にあるというような)ことは重要ではなく、望ましくないとさえ思えるようになってきた。あるべきところから外れ、さ迷い続けるのがよい。決して家など所有せず、どのような場所にあっても(特にわたしが骨を埋めようとしているニューヨークのような都市では)決して過度にくつろぐようなことのないほうがよいのだ。/遠い場所の記憶 自伝より

移民問題はヨーロッパやアメリカ、もちろん日本を含むアジアでもずっと長い間ある、問題のひとつで、いつも、じゃあ私にできることは何やろ、と考えているんだけど、的を得たことは思いつかない。
だからせめて、このドキュメンタリーを見よう、と思った。

*1:上映会やそれに関する講演会、トークショウの情報もこちらに記載されています。是非。http://www.cine.co.jp/said/index.html